葉山散歩 1 ・ プロローグ・・・Vol.267。2015.3.31

数年前、神奈川県葉山町に住んだことがある。
八王子でボランティアなどをしていたので、本籍は八王子として、葉山にも宿(アパート)を確保した。
それから行ったり来たりのあわただしい生活がはじまった。

葉山を夕方に出て八王子に戻り、ひと働きして、深夜遅くにまた葉山に戻る。疲れて一杯飲ってしまったときは、翌朝早くに家を出た。16号線が通勤時は大変込むから、冬など日の出前のうす暗いうちに家を出た。しかし起きてしまえばこっちのもの、素晴らしいご褒美が待っていた。横浜横須賀道路に入る前あたりで、ちょうど正面から朝日が昇ってくるのだ。眩しすぎるので、車の運転に注意を払いつつ感動しながら走ったことを今も鮮明に思い出す。

急がないときには、葉山から海岸に沿って走った。逗子、鎌倉、江の島を過ぎ、茅ヶ崎で湘南大橋の手前を右に折れ、あとはズッと相模川に沿って北上する。
多い時には週に3回くらい、こんな行ったり来たりを繰り返した。
こんな生活が7年と少しばかり、あった。いつのまにか、湘南の海辺の道は、抜け道も含めて、目をつむっても車で走れるようになっていた。

不思議と湘南は洒落た車がよく似合う。
私も、小さめのオープンカーが欲しくなり、車体は黄色がいいか、真っ赤がいいか、それともやはりブルーがいいか、などと夢想した。家の車は妻が使うので、葉山で1台購入した。逗子インターを出て、湘南国際村に抜けるトンネルの入り口に”ゴンチヤレンコ”という車屋さんがあり、私の葉山の友人が懇意にしている店だった。
が、金がなかったので、最初は「とにかく動けばいいです!」と口走り、夢はアッというまに霧散した。
ゴンチヤレンコでは何台か試乗させていただいた。「どうです、後日でいいですから、気に入ったのがあったら言ってください」とオーナーは言った。若者向けぽっいが気に入ったのがあった。が、1日悩み、断念した。
すっかり意気消沈していた顔だったのだろう。見かねて、オーナーは言った「たまに代車としてでも使おうかと置いておいた、廃車寸前のものですが、良かったらこれをやりますよ」と。オープンカーだった。
もちろん即決だ。もちろん、タダ、ではない。が、きわめて安くしてくれた。
それは、日本フォード社の”フェステバ”だった。
車体は紺青、箱型。上の天井はジャバラになっていて、電動で開き空が見える。一応オープンカーだ!
ただし、エアコンなし、脇の窓の開閉は手動。
クラシックな形も気に入った。

ご機嫌で、3年弱、動かなくなるまで乗っていた。

もちろん、この間、もう少し本物ぽっいオープンカーを所有するという夢は捨てなかったが、とうとうtotoで資金を得ることはかなわなかった。totoと宝くじが頼りだったのだ。

2回目もゴンチヤレンコでお世話になった。
今度は、空は見えなかったが、安くて性能はよかった。掘り出し物の”マツダデミオ”だった。
「ナビもついて、この値段です!」が決め手だったかもしれない。まだ、資金をゲットできていなかったので、すぐ飛びついたのだった。

八王子にオープンカーは似合わないかな?などと乗って帰ることも夢想していたのだが、7年後、葉山にサヨナラしなければならなくなったときには、残念ながらオープンカーに乗っての帰還とはならなかった。
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