行雲流水8・止まり木の下2:日月めぐり・・・Vol.25。2014.5.16

敬愛するMIが、2年ほど前、季刊『清水』の取材で訪れた地のことをブログ「僕の寄り道ー清水目玉焼き」に書いていた。
彼は、『清水』No.45の特集「興津川を流れ下る」の取材で、そこを訪れた。2012年夏のことだったと記憶する。
かつて、興津川流域に小島藩という小藩があり、その陣屋跡の写真が文とともにブログに載っていた。
そこに、作家の諸田玲子著『日月めぐる』のことも書いてあった。

私は、例の如く、すぐアマゾンンに注文した。
『日月めぐる』は、7つの小編からなっていて、第1話の脇役が、第2話では主役となり、というように展開していき、貧乏藩の藩内の侍模様や城下市中の人間模様・商売話などが様々に織り込まれ、ああそこで繋がっていたかなど、楽しい読み物となっていた。藩の経済を再生させた”三椏”に関わる「紙漉き」、「女たらし」「男惚れ」「川沿いの道」[渦」などなど・・・目くるめく渦まく人たちが、人間万歳といいたくなるほど美しく生き生きと描かれていた。

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上の写真『清水』No.46だが、この表紙デザインはMIが手がけており、諸田玲子もこの中で「次郎長の声に導かれて」と題して文を寄せている。発行元の戸田書店というのは、ホントにいいものを出している。

さて、日月めぐり、5月13日の夜。
前回の「止まり木の下」から約1か月が過ぎた。
また、まるい月がやってきた。
日月が巡ったことを少し感じる。同じ月に変わりはないが、止まり木の左に出ていた月が、右になっていた。

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1年中、健康診断の前日以外は、酒を切らしたことはないが、この日の友は、ビールではなかった。
肴は、好きなピ-ナッツだが、カップの”クマもん”の中身は、サイダーだった。
妻に「もうダメよ」と最後通牒をきられたわけでもない。
実は、この日、お台場にある東京検疫所へ行き、黄熱病のワクチンを打ってきたのだった。
「今晩はアルコールはだめですよ」と医者が言う。「もちろんです!」と私。
とはいうものの、今日は早く寝るしかないかと思わせる、大変残念な医者の言葉ではあった。

電話で予約をするのだが、ワクチン接種の対象は「9歳から59歳の方」とあったので、「私は59歳を超えているのですが・・・」と言ったら、相手の看護師?は要領を得ない。何かモゴモゴしている。
「ひょとして、この歳だと抗体などが出来ていて、免除か?」と一瞬喜んだが、そんないい話ではなかった。
「59歳以上になると10万人に8人、そうでない人は10万人に4人なのですが・・・・」と言う。なんだ、はっきり言えばいいでじゃないか、こちらを傷つかせまいと、モゴモゴしていたのだった。要は、注射を打つと年寄りは危ない、ということだった。副反応が出やすいというのだった。あまり病院へも行かないし、そういう知識には疎かったが、気を使わせてしまった。
さらに当日、実際ワクチンを打つ段になり、もう利き腕でないほうを腕まくりしている状態なのに、追い討ちがかかった。
「大丈夫ですか?」「打っていいですか?」「お歳なので、注射はせず、という証明書を発行できますが」と先生はおっしゃる。
「エッ、そういうものもあるのか」と一瞬心がそちらに行きそうになったが、やめた。その話には乗らなかった。
大体その証明書でよその国々へはいけるということだが、黄熱病に罹らないという保障ではない。
「いえ、先生、副反応もないと思いますし、ぜひ打ってください」と私。
「わかりました。では。チョッとチクッとしますよ」と先生はホッとしたかのように、打った。
そりゃそうだな、とあとで先生に同情した。
私の力強いOKの一言が必要だったのだ。打ってピクピクされたら大変だ、ああ歳は取りたくないものだと、少しさびしくなった瞬間でもあった。
幸いピクピクしなかったせいか、終ってからの先生の一言は打って変わって自信に満ちて力強かった。
「今晩はお酒はダメですよ!」

そんなことなど思い出しながら、サイダーでチビリと飲った。
月がことのほか侘しかった。

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この”クマもん”は、後輩MI(冒頭のMIとは別のMI)から餞別にといただいた。
熊本へ出張に行く前、これをぜひに、と思っていたと言う。
ビールには合わない気がしていたが、やっとクマモンをお目見えさせてあげれる機会がやってきた。
ありがとう!
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コメント

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No title

過大なるお褒めの言葉をありがとうございます。自分以外すべて女性の編集委員に、このブログを読めとメールしました。
無事に注射を打てて、じゃなかった、注射を打って無事でよかったですね。世界遺産に含まれた郷里三保の松原にある高校に通いましたが、驚くほど温暖な土地で高校三年間破傷風の予防注射を打たれました。
月はブラジルも同じですね。裏側の月をぜひ見せてください。

No title

こちらこそ、嬉しいことです。
が、自然体で書けなくなりそうで、怖い気もしています。
わびしくない月が見れればいいと思っています。

いってらっしゃい

くまもん可愛いですね!
いよいよ明日出発ですね、帰ってきたらまた楽しい土産話を
聞かせてください。 道中くれぐれもご自愛ください。

No title

ありがとうございます。
日々”好日”となることを期待して行ってきます。