青春の異国 2 ・西瓜:インド、エジプト・・・Vol.239。2015.2.18

WaterMelon Story、India & Egypt
西瓜の話:インド、エジプト

いつだったか、ラジオでハンコックを聴いていた。昼下がり、コーヒーとハンコックはごきげんに合っていた。それが、♬ウォーターメロン・マン🎶を知った最初だった。

あれはなつかしい響きだ。ゴアのカラングート・ビーチを”ウオタメロン、ウオタメロン”と声高に、西瓜を頭の上に乗せ売り歩く女、あの女のあの声とハンコックは妙に一致する。

カトマンズからゴアへ。世界中のヒッピーが移動を開始していた頃だった。皆生まれたままの姿で、海と太陽のなかにいた。あの西瓜はうまかった。そう言や、子どものころの夏祭り、夕暮れ時の花火に誘われて夜店に出かけちゃ西瓜を買って、近所の神社で食べたっけ。みんなムシャムシャ夢中の子。そんな感じだったなあ、などと望郷の念やみがたく、というのか、なつかしき戻らぬ時代を思いやり・・・。インド娘の差し出す西瓜は、これまた格別な味がした。

西瓜は、原産地・エジプトでのことだった。
カイロは、ナイル川の中洲のレストラン。カイロ大学が近くにあり、少し高所に上るとさらに彼方にはスフィンクスやピラミッドが浮かび、そう悪くはない下町。その下町のそう悪くはないレストランでの夜だった。
久々の限りなくフルコースに近いディナー。デザートにわが恋しい西瓜が出て来た。ひと口食べて塩を振りかけた。と、初老の支配人がすっ飛んで来た。

「ハイ!日本人。あなた、何しているのか。これ何ですか?」
何ったて、食事をしているんだけれど、と困惑しながらも、いったい客に向かって何を言うかと、キッ、と少し強面で睨むと、彼は真剣にテーブルの上のものを指差している。
「これ、何ですか!」
見れば塩ではないか。
「ソ ・ ル ・ ト」
品のいい支配人の驚きの顔の凄さに、思わず小さくつぶやいた。
「そうです。ソルトです。あなた、知っているではありませんか。それなのに・・・アア!」
何か非常識な非常にまずいことでも私はしでかしてしまったのかと思ったが、どうもそうではなさそう。
彼いわく、「塩というものはスープ、エンド、サラッダ、に使うものです。それをあなたは、いったいこれがスープですか!?サラッダですか!? これはネ、ウォーターメロンなんです。こ・れ・は。私、50数年生きてきたが、こんなこと初めてです。アア・・・・」

他人に不快感を与えない限り、自分がうまいと思えるように食べる、これが私の食事のマナーである。当然のことながらマナーについて彼が口を出したのではなかった。人生の終わりに近づいて今初めて目にした出来事。それも、日常生活において彼にとって当たり前のことだった単なる”スイカを食べる”ということについて、塩をかけて食べる人間がいた、ということ。私にとっては、世の中いろいろ、ですむことであるが、彼にとっては、簡単に済ませられるものではなかった。思わず、駆け出し、叫んでしまったのだろう。
「これ、何ですか。塩というものは・・・」と。

いやいや、私は、塩をふりかけるんだよ。ふりかけて食べてごらんよ。うまいんだから。と、言おうとしたが、瞬間、彼が途方もなく頑固な好々爺に見え「ヤングマン。俺のやってきたのが、人生だよ。俺が世界なんだよ。」という声が聞こえたような気がして、反論するかわりに「フウーン」と相槌を打った。郷に入れば郷に従えか。

熱弁をふるって、彼は私のテーブルから離れた。
しかし、折角の私の大好きな西瓜、彼の視線をからだで遮って、素早く塩をふりかけた。

****                 ***
”砂糖”というわけにはいかなかった。

先日、新橋で飲んだ仲間と昔”スキークラブ・ノバ”をつくった。拡大してグループ・ノバから機関紙のようなものを出したことがあった。上の文は、その機関紙「NOVA」に載せたもの。
スイカ1スイカ2 表表紙と裏表紙。スイカ3
スイカ4

英会話のノバが登場するよりも大分前のことだった。今も飲めば仲間が時々言う。
「ノバの商標登録をしておけば、今頃はこの酒代くらいは出ていたかも」と。

♬ ウォーターメロンマン 🎶

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な な な ナニ~ッ! 「ソ・ル・ト」ではありません

 1995年に起きた、八王子市「スーパーナンペイ大和田店」女性3人射殺事件
 
 亡くなられた都立館高2年の前田寛美さん、桜美林高2年の矢吹恵さんとパート従業員の稲垣則子さんを縛ったテープから検出された指紋・・何と!!当時、多摩地域に住み、10年前に60歳代で死亡した元会社員の男の指紋とほぼ一致・・?!

 すでに中国で死刑となった日本人・・旅券法違反でカナダから移送されてきた中国人は何んだったのか・・?! 振り回されたあげく被疑者死亡とは・・

20年

先ほどニュースで知りました。
指紋、12点で一致すれば動かぬ証拠だそうですが、今のところ8点で一致、それでも1億人に一人の確率だそうですから、ほぼ犯人といえるのではないでしょうか。犯行当時50歳代、生きていれば70歳代。複数犯行かもしれませんが、関係者の執念が近々実って解決することを願っています。