青春の異国 1 ・アフガニスタン Afgahanistan ・・・Vol.237。2015.2.16

40 Yeara Ago, AFGHANISTAN
         ・・・40年前、アフガン

放浪の旅から戻り、しばらくして働くこととなった。
その職場に”女子会”があった。男子加入お断りの、その会から、ある日、優しそうなお姉さんがやってきて、こう言った。
「旅の記事を書きなさい!」と。
女子会の正式名は「あゆみ」といい、2か月に1度くらいの割合で機関紙を出していた。その「あゆみニュース」に、放浪していた時のことを書け、というのだった。加入はダメだが、機関紙に男が登場することはOKらしかった。お姉さんは綺麗で優しそうではあったが、私から見れば”アマゾネス”のように強そうでもあった。当然「ハイ!」と席から立ち上がり、気を付け!の姿勢で答えていた。ニュースは”ガリ版刷り”だった。

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(その「ニュース」から)

夜空の下、一人。少し気取ったものだった・・・・

26になろうという春だった。
ホテル・ビィーナスの屋上に、取って付けたような小部屋が10部屋ある。そのうちのひとつを6ルピー(180円)で借り、ベッドに仰向けになり、隣の、頭をツルツルに剃り上げたフランス人の奏でるシタールにボンヤリ聴き入っていた。”誕生日をどこで迎えようか” フッとそんな思いが湧いた。

4月だというのにインドは熱い。
そのせいか、シェイクがうまい。毎日、ビィーナスの近くのジュース屋に飲みに出る。ジュース屋といっても上品なものじゃない。パパイヤやオレンジを店頭に積み上げ、客の注文によってその果実を押し潰すのである。万力のようなもので、まさに”つぶす”のである。それが、うまい!

バナナ・シェイクを飲みながら、決めた。
猛暑のデリーを出て、アフガニスタンへ行こうと。聞けば、アフガニスタンの首都カブールよりコヒババ山脈を越え、ヒンズークシの麓にバーミアンという昔栄えた都があるという。近くには深緑色のバンディアミールという神秘の湖があるともいう。誕生日を心に刻み込むにはもってこいのところだ。なんてひとり気負い込んだ。

ローカルバスを乗り継ぎ、シーク教の大本山ゴールデンテンプルのあるアムリッツアーから国境を越え、パキスタンに入る。パキスタンはラホールからペシャワールへ抜ける。ペシャワールから、夜は山賊の出没するカイバー峠を越え、さらに谷越え山越えてアフガニスタンは首都カブールに着いた。4月の13日だった。

家々の庭先には桃の花だろうか薄いピンクの花が咲き、木々も少し青味を帯びていた。数日前のデリーの暑さは嘘のようだった。街並みの途切れた向こうには雪をいただいた山脈が青空にくっきりと浮かび上がり、カブールの春は、これから始まるところだった。

いよいよコヒババ山脈を越えて、神秘の地バーミアンへ行くのだ。
誕生日を明日にひかえた17日未明、僕はジャミィイ・ホテルを出、長距離の大型ローカルバスの待つターミナルへと向かった。冷気が頬をなで吐く息は白い。
ターミナルは、朝市がたち、チヤドリをかぶった女やターバンを巻いた男たちで賑わっていた。
澄み切った紺青の朝の空には、夜を遊びすぎた大きな星が2つ、キラッキラッと光っていた。

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☆カテゴリ欄の「旅の空から[異国の細道]の[追憶編]」にアクセスしてみてください。関連記事「バーミアン」と「カブール」を載せてあります。こちらもご笑覧ください。
バーミヤン1
バーミヤン2
バーミアン。
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