旅の空から[異国の細道]157・余談7・・・駄々をこねたロシナンテ・・・Vol.198・2014.12.28.

8月22日、日本でいえば冬の2月といったところだろうか。
コロンビアの首都ボゴタに着いた。翌朝の気温は8度だった。標高2640m.。

宿「Bakano Backpackers」にたどり着き、一服し、さて荷を解くかと、鼻歌まじりで愛馬ロシナンテ(旅行かばん)の轡をはずしにかかった。
鍵は、左右にひとつずつあり、3桁の数字合わせのヤツだ。そしてもうひとつ、ベルトで締めている。
ベルトは、普通の鍵だが、これはすぐ開いた。
数字合わせの左側もすぐ開いた。
が、右側が、開かない!
あれっ、間違えたかな?と、もう一度、ゆっくり正確に数字を合わせた。が、開かない。
数回やってみたが、ダメだった。

ロシナンテに駄々をこねられてしまった。そういえば、このところ、優しい声もかけていなかった。
しかし、駄々をこねられても、開いてもらわなければならない。
とうとう意地になって、大きめの頑丈そうな挟みを借り、こじ開けることにした。しかし結構頑丈に出来ていて、ビクともしない。しばらくして、あきらめ、というより冷静になり、街に鍵屋を捜しに出ることにした。修理してもらうのだ。

スーパーを覗いたり、あちこちを彷徨った。
日も暮れ、まだ慣れない街だし、物騒な目にあってもいけないし、見つけられないまま、宿に戻った。
「恥ずかしながら、カクカクしかじか・・・」と宿のスタッフに相談した。
スタッフは3人が交代で勤めていた。皆主婦。この時はエルメンシアだった。
エルメンシアは、「メリー!」と奥に向かって声をかけた。
奥から、あき竹城を少し大きくしたような女性が出てきた。ハウスキーパーだった。
「OK、セニョール。明日鍵屋に連れて行ってやる」と彼女。

翌朝、彼女メリーがやってきた。「ヨシッ!行こう!」。ヨシは私の名前、スペイン語ではYoは言いにくいらしく、ジョシと聞こえる。正確には「ジョシッ!、バーモス!」だった。

「どこにあるんだ?」と尋ねると、「この上だ」という。なるほど昨日は下の方しか歩いていなかった。そっちにあったのか。
1ブロック上がって、右に2ブロック行くと、中学校の体育館のような建物が現れた。
メルカド(市場)だった。”へー、こんなところに市場があったのか”と驚くような場所だった。中へ入ってみないと市場とはわからない。庶民的な場所だった。

アキ竹城ことメリーは、その中にズンズン入っていく。あったあった、鍵屋があった。”セラへリーア Cerrajeria ”の看板が出ていた。
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が、鍵がかかっていて、店は閉まっていた。メリーは、隣に店を出している”アンちゃん”に、どうしたんだ?などと聞いてくれた。アンちゃんは、店を指差したり、いろいろメリーに話しかけていた。
「もうじき、オヤジが出てくるそうだが、一度帰って、あの電話番号に電話をかけてやる」と、アンちゃんが指差した先の電話番号をメリーが今度は私のために指差した。「それでいいか?」という。
「もちろん、それでOKだ」・・・という次第で一度ロシナンテを引っ張って宿に2人で戻った。

戻るとメリーはすぐに電話をしてくれた。
「オヤジは、今から、店に出るから、30分後に来い」と言っているとメリー。「OKだ」と私。
今度は道も分かったし、メリーも仕事があるので、30分後と言わず、すぐに、一人でロシナンテと鍵屋に向かった。
セラへリーアの店主アイバロンはもう来ていた。

隣のアンちゃんが、私よりも詳しそうに、ロシナンテを指差しオヤジに説明をしてくれた。
アイバロンは、「フンふん・フン」といったような感じでそれを聞いており「どれ、カバンをよこせ」と私に言った。

神妙そうな顔つきをして、彼は”耳と手”でロシナンテに相対していた。ロックの数字に耳をピタッとあて、右手で静かに静かにダイヤルを回していった。3分ばかり経った。「セニョール、OKだ!」と少し胸を突き出した。

「自分で開けてみろ。ただし新しい番号は○○○だ!」とアイバロンは言った。
”空いた”、「おおっ、プロフェッショナール!」と礼を言うと、彼はまた、先ほどよりいくぶんふんぞりかえって、「おう!そうともよ!」とばかりに親指をグッと立てた。

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3000ペソ(約185円)払って、握手をして、別れたが、大変力強く、骨が痛いほどの握力だった。
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コメント

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ロシナンテに、こんなことがあったんですね。長旅をともにした相棒も今はゆっくり休まれていることと思います。
浮さん、日本の寒さに身体は慣れましたか。風邪をひかれないように、あたたかくされてください!