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去り行く人、60万円・・・Vol.1694


冬の終わりから春にかけては別れの季節でもある。
急な寒さからあの世へと旅立つ人も昔からお年寄りには多い。
仕事を辞して去る人もいる。転勤で別天地へと旅立つ人もいる。

渭城の朝雨 軽塵を潤す
客舎青青 柳色新なり
君に勧む さらに尽くせ一杯の酒
西のかた陽関を出ずれば 故人なからん

高校時代、漢文の教師が「ハイ、続けて」と言い、
全員で「なからん なからん 故人なからん」と唱和したものだった。
不思議と忘れないものだ。

夕べ別れの盃をたっぷり酌み交わした宿、朝起きて宿を出てみれば雨がしっとりと心地よい。
柳の色や宿前の風景が目に浮かんでくる。
「これから先にはもう友はいないぞ。さあ、もう一杯飲め。これで別れだ」

先日、新卒から20年勤めあげた某Mが新天地に旅立つこととなり、送別の会があった。
永田町の中華料理屋で飲った。

2四川飯店の梅IMG_20190219_195601 - コピー

宴も盛り上がり誰かが「この店で一番高い紹興酒は?」とお店の女性に聞いた。
それを飲むということでもなく、座興でただ聞いてみたのだったが、
「はい、60万円のものがありますが・・・」と店員さんはサラリと言った。

その一声で、幹事は急に幹事らしくなった。
以来、ビールは別としてワインと紹興酒を注文するときは、幹事が必ずメニューに目を通してから注文していた。

昔「おい、この旅館で一番高いワインを持ってこい」と大阪の金持ち医者グループが言った。
和歌山の某老舗旅館でのことだった。
翌朝、支払いの段になって医者たちは酔いも吹っ飛び目を回した。
「〇千万です」だった。
医者は訴訟を起こしたが負けた。
目玉の飛び出るような価値あるワインが、さすが老舗、置いてあったのだった。


そんなことなど思い出して、我が幹事がしっかりと値段に目を通した安全な紹興酒などをいただいた。
60万円のものではないが色は見事に輝いていた。
去り行く主役も、まあ、納得してくれただろう。

3紹興酒IMG_20190219_190925 - コピー


♫ 旅人よ ♫



今日もご訪問くださってありがとうございました。 感謝です。
From Tokyo With Love 東京より愛をこめて

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