明日から飲むのは辞めよう・・・Vol.1637
以前足繁く通っていた寿司屋Hは初代のご夫婦とあとを継いだ若大将が切り盛りしていた。
通い出して何回目かが過ぎたある日「これを食べていけ」と初代が干瓢巻きを出してくれた。
いわゆる裏メニューで馴染みにしか出さない。
今まで客が食べているのを目撃したことはあったが新参者の私は横目で眺めているだけだった。
「おお、ついに認められたか!」という感激の瞬間だった。
初代は若大将に口を出さないかわりに干瓢巻きだけは密かな楽しみでつくっていて若大将もこれは黙って認めているらしかった。
カウンターの向こう、若大将の背中の上には額に入った書が架かっていた。
「明日から飲むことは辞めよう」だ。
「ん?」と思ったが、なるほどだった。
翌日お店に行っても、また「明日から・・辞めよう」というわけだった。
そんなわけでまだ飲み続けており先日は新宿へ飲みに出た。
吉田類で知った「あいうえお」だ。
いつの間にか「新宿3人会」が「5人会」になっている。この呑み会はここ「あいうえお」に決めている。

居酒屋は、多くの店で気の利いた言葉などが壁に張られている。
ここもそうだ。
トイレに立つと懐かしさが込み上げてきたりする。
劇団の公演予定ポスターやら昔懐かしい映画ポスターなどが張られていた.



「あの道の上がJR新宿駅南口だな」と確認しつつ帰路に着いた。
私は帰るが、暮れ近い新宿はまだまだこれからのようだった。


- 関連記事
-
- 逝く・・・Vol.1639
- 「おまけ」がやって来た・・・Vol.1638
- 明日から飲むのは辞めよう・・・Vol.1637
- 私向きの場所・浅草伝法院脇・・・Vol.1636
- 初めての場所・三河島・・・Vol.1635
スポンサーサイト
コメント