遠花火・・・Vol.1523
すでに親父や御先祖様をお迎えしてある仏壇にお線香をあげ「くつろいでいただいておりますか?」などと尋ね、日ごろの無沙汰を詫びた。
小さく外で音がした。
「あらっ、塩名田の花火が始まったのかしら・・・」と義妹が言う。
外へ出てみると、遠くに花火があがっていた。塩名田の花火だった。
松明山の向こうに花火が見えた。

今日は14日、明日15日は地元で「榊祭り」がある。その榊祭りのオープニングが火祭りで松明山で火をつけて若者たちが火をつけた棒を振り回しながら山を駆け下りてくる、その松明山の上に塩名田の花火が見えたのだった。
塩名田は中山道69次の23番目の宿だ。24番目が八幡の宿、25番目が望月の宿、ここが私の故郷だ。家は町から少し離れた農村にある。
家から塩名田までは直線で6㎞くらいあるだろうか。
その花火が見えていた。
隅田川や東京湾の花火、諏訪湖の花火などに比べるとささやかなものだが、これはこれで風情がある。間をおいてゆっくりと上がる。次はまだかと待つ時間がいい。
ましてや山の向こうの花火だから、大きな打ち上げ花火しか見えない。川原では仕掛け花火も盛んにやっているようで、山の端が時々赤く染まる。
音は大分後からやってくる。このズレもまた楽しい。
時々違う方角からも花火は見えないが大きな音がする。あれはどこの花火かなどと確かめる気はないが声に出る。


「俳句は奥が深いのよ」とあおぞらサンにご注意いただいたが、多分モドキにも至らないと言うことだとはわかっているが、懲りずに「のようなもの」を一つ。
遠花火 忘れたころに 音がする
何か言って見たくなる夏の宵、てなもんでご容赦願いたい。
家の中に戻ると弟が「兄貴、ここからも見えるんだ」と言う。
どれ、と弟の指さす方を見ると確かに茶の間の窓ガラスの向こうに花火が上がった。
弟は昨年脳梗塞を患い右半身が不自由になってしまい、外に出るのは億劫だからと茶の間の定位置に残っていたのだ。
自分たちだけ外で花火鑑賞というのは少し気が引けていたことも事実だったので、ホッとし話が弾みだした。

おそらくラストの花火だろう、あの下にいたらバリバリと枝垂れ花火の音が聞こえたに違いない。
やがて花火は満天の星となり、ゆっくりと田舎のお盆の夜が過ぎて行った。

今日もご訪問くださってありがとうございました。
From Mochizuki With Love 望月より愛をこめて
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コメント
おはようございます
2018-08-19 07:06 MT URL 編集
気合花火
私の写真は、いつも偶然シャッターをただ押しているだけで恐縮ものです。
MTさんの気合の入った素晴らしい花火、楽しみに待っています!
2018-08-19 07:59 浮雲 URL 編集
No title
8月7日が立秋でお盆は秋の季語なんですね
お盆に集まられて花火を観られたら夏の宵なんですが、お盆事態が秋ですから
立秋を過ぎると残暑見舞いとなります
夜には虫の声がします
2018-08-19 09:48 あおぞら39 URL 編集
No title
懲りずにご指導よろしく!
2018-08-19 11:06 浮雲 URL 編集