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水害・・・Vol.1479

「沢尻には家を建てるな」と昔から山の地域に住む人の間には言い伝えがあり「山国に住む人間は常に治山治水に関心を持って生きて来た」と、昨年刊行された『へんくつ一路』の著者が書いていた一節を思い出している。
が、「我が家はそんな沢尻にあった」と著者。

戦後の6月、ある日の夕刻、明るかった西の空が急に暗くなり冷たい一陣の風が頬を撫でた。
「これは来るぞ」と思ったとたんに雨がポツポツと地面をたたきやがて雷雨となった。滝のような雷雨に嫌な予感があって母と目が会った。何十年か前に土砂が納屋に流れ込んだということを耳にしていたからだ。(この時著者は20代、すでに父は他界、母と弟と妹の4人暮らし)
夕食時ポトポトと水の落ちるような変な音が聞こえ「さては」と山側の勝手口を開け納屋に出るとそこはすでにドロ沼。即座に弟と妹を隣のおばの家に避難させ、畳や鍋釜の類を2階に上げ、山側と玄関側の戸を外し他は閉めた。(家の中に一本の土砂用水路を造ったのだ)
「よーし、来るなら来てみろ」ホッとする間もなくドーンと裏の壁に土砂がぶつかって来た。
土砂は一気に開け放たれた家の中を駆け抜けてバス通りに流れ出た。(1階は土砂で蹂躙されたが家は破壊されなかった)
火の見やぐらに登って半鐘を夢中で連打し、村人が救援に駆けつけてくれた、が、手の施しようがなく土砂の山に立ち茫然とするしか手がなかった。
やがて雨が止み土砂の上、中天に星が瞬きはじめて夜が更けて行ったという。

信州は安曇野の70年ばかり前のある村の話だ。
数か月後にまた豪雨に見舞われたという。心づもりが出来てはいたが、その時は一度できた土砂水路の流れはさらに早く凄いものだったと著者は書いていた。

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From Tokyo  With Love 東京より愛をこめて
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