忘れ物・I never forget you・・・Vol.1094
2か月ほど前の事だった。
所用で鳥取へ行った時のことだ。
姫路から因伯線に乗った。
車内は空いていて快適、初めは網棚にバッグと手荷物を置いたが、すぐにバッグは降ろして隣の座席に置き、本やカメラなどを取り出した。
これだけ空いていれば多分隣の座席には人はやって来ないだろうと思ったからだった。
車窓から景色を眺めたり駅弁を食べたり、時々カメラのシャッターを押したりしているうちに「もう間もなく鳥取に到着します」というような車内アナウンスが流れてきた。
カメラや読まなかった本などをバッグに仕舞い降車準備は完了した。
列車はホームに静かに入り、私は初めて降りる鳥取駅に少し胸をときめかした。
意気揚々とホームから階段を下りた。
改札口を出る前にトイレに寄った。
そこで気づいた。
手荷物を忘れた。
あわてて階段を駆け上りホームに出たが、間一髪列車は走り出したところだった。
手荷物は、鳥取の知人へのお土産だった。
手荷物だけ網棚に残してあったことをすっかり忘れていたのだった。
駅員さんにそのことを伝えると「その列車は倉吉止まりですから倉吉駅に連絡しておきます」「確認できましたら連絡します」とのこと。
1時間もしないうちに携帯に電話が入った。
「ありました。どうされますか?」と言う。
自宅に送りますか?取りにこられますか?というようなことだった。
そのまま放っておこうかとも思ったが思案の末に「取りに伺います」と答えていた。
知人に会うに手ぶらではマズイと思い直したからだった。
知人に会うのを明日にしておいて大正解だった。
倉吉駅方面行きの列車を調べ、夕刻の特急に乗った。
途中松崎駅を通り過ぎた。
ここは昔来たことがあった。ハワイ温泉に友人がいたのだが、来た経路は鳥取駅からではなかった。

などと懐かしんでいるうちに倉吉駅に到着した。
駅員さんは親切で無事わが土産物を手渡してくれた。
鳥取に戻るまで時間が少しあったので外に出て喫煙所で一服した。
手ごろな喫茶店は見当たらず、人通りもなく、コンビニの灯りのみが目についた。
地方の夜は早い。


帰りは各駅電車に乗った。

暗闇の中を走るのを承知だったが、なぜか外の風景が見たかったのだった。
1時間ほどで鳥取駅に戻った。
夕飯がまだだったので駅前の居酒屋に入った。

一杯飲みながら、これで良かったのかなどと反省もしたが、まあこれでいいだろうと言うことに落ち着いたのだった。
ダンダンとこんなことが増えてくる歳なのだろう。
このことは初めてここに書いたが、妻や友人や知人には一切話していない。
言えば「そのうち、忘れたこともわからなくなるのだから」と言われるにきまっているような気もするからだ。幸い、彼らはほとんど私のブログは見ないようだから安心だ。
今晩の歌 ♬ 忘れないわ ♬
From Tokyo With Love 東京より愛を込めて
この日も雲はゆきました

にほんブログ村 最近は家の周りばかりで恐縮ですが・・・。夢は果てなく。
所用で鳥取へ行った時のことだ。
姫路から因伯線に乗った。
車内は空いていて快適、初めは網棚にバッグと手荷物を置いたが、すぐにバッグは降ろして隣の座席に置き、本やカメラなどを取り出した。
これだけ空いていれば多分隣の座席には人はやって来ないだろうと思ったからだった。
車窓から景色を眺めたり駅弁を食べたり、時々カメラのシャッターを押したりしているうちに「もう間もなく鳥取に到着します」というような車内アナウンスが流れてきた。
カメラや読まなかった本などをバッグに仕舞い降車準備は完了した。
列車はホームに静かに入り、私は初めて降りる鳥取駅に少し胸をときめかした。
意気揚々とホームから階段を下りた。
改札口を出る前にトイレに寄った。
そこで気づいた。
手荷物を忘れた。
あわてて階段を駆け上りホームに出たが、間一髪列車は走り出したところだった。
手荷物は、鳥取の知人へのお土産だった。
手荷物だけ網棚に残してあったことをすっかり忘れていたのだった。
駅員さんにそのことを伝えると「その列車は倉吉止まりですから倉吉駅に連絡しておきます」「確認できましたら連絡します」とのこと。
1時間もしないうちに携帯に電話が入った。
「ありました。どうされますか?」と言う。
自宅に送りますか?取りにこられますか?というようなことだった。
そのまま放っておこうかとも思ったが思案の末に「取りに伺います」と答えていた。
知人に会うに手ぶらではマズイと思い直したからだった。
知人に会うのを明日にしておいて大正解だった。
倉吉駅方面行きの列車を調べ、夕刻の特急に乗った。
途中松崎駅を通り過ぎた。
ここは昔来たことがあった。ハワイ温泉に友人がいたのだが、来た経路は鳥取駅からではなかった。

などと懐かしんでいるうちに倉吉駅に到着した。
駅員さんは親切で無事わが土産物を手渡してくれた。
鳥取に戻るまで時間が少しあったので外に出て喫煙所で一服した。
手ごろな喫茶店は見当たらず、人通りもなく、コンビニの灯りのみが目についた。
地方の夜は早い。


帰りは各駅電車に乗った。

暗闇の中を走るのを承知だったが、なぜか外の風景が見たかったのだった。
1時間ほどで鳥取駅に戻った。
夕飯がまだだったので駅前の居酒屋に入った。

一杯飲みながら、これで良かったのかなどと反省もしたが、まあこれでいいだろうと言うことに落ち着いたのだった。
ダンダンとこんなことが増えてくる歳なのだろう。
このことは初めてここに書いたが、妻や友人や知人には一切話していない。
言えば「そのうち、忘れたこともわからなくなるのだから」と言われるにきまっているような気もするからだ。幸い、彼らはほとんど私のブログは見ないようだから安心だ。
今晩の歌 ♬ 忘れないわ ♬
From Tokyo With Love 東京より愛を込めて
この日も雲はゆきました

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コメント
No title
私は京葉線に忘れた荷物を、翌日八王子から千葉駅まで取りに行ったことがあります。
小旅行でした。トホホ
2017-06-10 13:58 葉月 URL 編集
No title
驚きました。葉月さんにも、そんな小旅行がおありだったとは!
2017-06-11 15:31 oldboy浮雲 URL 編集