靴磨き・若かったおばあさん・・・Vol.1054

仕事をしていた頃は、靴はよく自分で磨いた。
時々、靴磨きをせずに仕事に出かけ、汚れが気になることもあった。
高価な靴でなくても「足元はきれいにしておけよ」などという言葉に素直に同感していた時代のことだ。
最近は革靴とはほとんど縁がなくなったので磨くこともほとんどない。
道具だけは靴箱の中で眠っている。

昔、地下鉄銀座線「虎ノ門」駅で下車し地上に出ると靴磨きのプロが店を構えていた。
店といってもパラソルと座椅子、商売道具があるだけだったが・・・。
文部省前の歩道脇が靴磨きプロの仕事場だった。

新宿に三越が出来たときには、楽しみでネェー」「松戸から友人とワザワザおめかしして出かけたものだった」「何をするというわけでもなかったが、ウキウキして嬉しかったものよ」と靴磨きのプロは言う。
そのプロは相当年配のおばあさんだった。

今じゃ、金に特段困っているというわけじゃない、と言う。
天気のいい日に、こうやって出かけてくるのが楽しいのだ、と言う。

「ホレ、タバコはここへ!」とサッと灰皿を磨き台の脇に置く。
この当時は、まだ、靴を磨いてもらっている間の道端の一服が出来たものだった。
道行く人も誰一人嫌な顔ひとつしていなかった、と思う。

新宿三越が出来たのは1929年、おばあさんはそのころ17歳くらい、もうじき軍靴の足音が高く響いてくる、そんなころが青春時代というわけだった。
おばあさんのこんな昔話を聞くのが好きで、靴が汚れていなくても時々お世話になった。

子や孫たちに「もう止めなよ」などと言われるんだがね、などとも言っていた。
「虎ノ門」に行くことが何年かなかった時があり、久々にまた通うようになったが、その時はもうおばあさんの姿はなかった。

1靴磨きIMG_1356

おばあさんの青春時代は戦中だが、戦後の歌で今日は行こう。
♬ 銀座のカンカン娘 🎶 美空ひばり・・・。



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