ほうとう・・・Vol.1231

天下茶屋の2階で文学に触れ、ガラにもなく文化的な気分に浸っていたら、突然階下から声がした。「田楽がさめちゃうヨ~!」と店の女将さんが呼んでいた。現実は待ったなし、皆すぐに普通の人に引き戻された瞬間だった。田楽を食べ終えたころに、目当ての“ほうとう”がお出ましとなった。4人がホウトウで、2人がトロロそば。食事の類はこの2種類のみであとは田楽など添え物しか置いてない。ホウトウは、具がたっぷり入っていて、とて...

太宰治・・・Vol.1230

太宰はこの部屋に座っていたのか、いい部屋だ、などと仲間が言う。この火鉢に温たり、これで一杯ひっかけていたのか、と別の一人が言う。   隣の部屋の窓ガラスは、曇りガラスが入っているのかと思ったが、よく見たら外が寒いので窓ガラスが曇ってデザインしたかのようになり、曇りガラスのようになっていたのだった。   精工舎の柱時計などもあり、郷愁を誘う。若き日の天皇陛下が訪れたときの写真も飾られていた。入水心中...

天下茶屋・・・Vol.1229

“ラストオーダーは日没“という粋な看板をぶら下げていたのは「天下茶屋」、多くの人がやって来る有名な店だ。特に昭和13年ころ、作家・太宰治が滞在し、ここの2階で執筆をしていたということから魅かれて尋ねる人が多い。太宰の「富士には 月見草がよく似合う」に誘われて三ツ峠などにやって来る方も多いのだろう。なかには「富士には 君がよく似合う」などとキザな言葉を吐いた方もいるかもしれない。いけない、回想はまた後で...

日没と〼・・・Vol.1228

葡萄農園を辞して車は南へ向かった。河口湖、御坂峠方面だ。「おいしいホウトウを食べよう」というわけだ。山道に入り、新御坂トンネルを抜けてすぐ左折し旧道に入った。逆方向に戻ることになる。新御坂トンネルの手前からこの旧道を来てもいいのだが、新御坂トンネルをくぐることにしたのだった。トンネル手前の道路脇の表示板に11℃と温度表示が出ていた。小雨も降り出していた。クネクネ道を登り、三つ峠山頂へ行く路を右に横目...

ぶどう Grapes・・・Vol.1227

「このトンネルを抜けると勝沼だ。きっと天気予報どおりに晴れてるぞ!」そんな仲間の声も空しく、笹子トンネルを出たが空はどんよりとして雨がぱらついてきそうな雲行きだった。勝沼で高速道路を降り、最初の交差点を右折、すぐ近くに目指す農園はある。「里吉ぶどう農園」だ。房の付き様が見事なレッドネへレスコ―。手前の丸い粒が、これまたおいしい本甲斐路。10月解禁のブドウだという。名前が間違っているかもしれないが、多...